介護報酬改定をめぐる動向
02/06/01
(特)MHW副理事長(自治労愛知執行委員)
長谷川勇一
1. 介護保険報酬改定の議論すすむ
現在、2003年4月の介護報酬の改定に向けて厚生労働省社会保障審議会・介護給
付費分科会で審議が進んでいる。第1ラウンドは2002年3月までの間で、各介護
保険サービスの報酬について論議を行い、4月には関連事業団体からヒアリングを
行なった。第2ラウンドは5月から行い、その議論を踏まえて7月に介護報酬骨
格が設定され、この時点で介護報酬の類型をどのようにするか目途がつく予定だ。
9月以降には具体的金額が設定され、2003年1月に審議会に介護報酬新単価の諮
問をし、3月までに答申を得て、来年4月に臨むことになっている。
2. 介護保険適用事業体ごとの特徴的課題
厚生労働省・日本労働研究機構の中間報告によると、訪問介護サービス事業の収支
は「赤字」が55.8%、「収支トントン」は32.4%、「黒字」は9.8%であった。その
影響もありヘルパーの半数が給与水準に不満を持っている。また、訪問介護の事業
所では、明らかな労働基準法違反である慢性的なサービス残業が行われている所も
少なくない。
特別養護老人ホームでは、勤務条件の切り下げが行われた所が多くみられるが、ほ
とんどの特養では大幅な黒字の状態である。厚生労働省も介護保険になってから収
入が1〜2割増えたことを認めている。具体的には、札幌市での28ヶ所の特養の
調査では、措置の時代には合計23億5千万円の剰余金を貯めたが、介護保険導入
1年後には43億5千万円に増えた。
3. 介護労働者を取り巻く諸課題
札幌市のホームヘルパー白書によると、訪問介護の事業所ではヘルパーの多くはヘ
ルパーをやめたい、できることならやめたいと思っている。感染症の予防対策すら
していない事業所が2割もある。「労災保険」は正規職員には82.4%掛けてあるが、
登録ヘルパーでは29.7%にしか掛けていない。「雇用保険」は正規職員には85.2%
掛けてあるが、登録ヘルパーでは6.9%にしか掛けていない。「健康保険」は正規
職員には82.5%掛けてあるが、登録ヘルパーでは3.0%にしか掛けていない。ヘル
パーの移動中の交通事故、骨折事故などの介護事故も起こっているが、その保障や
危機管理が徹底されていない。
4. 社会保障審議会・介護給付費分科会の開催状況と自治労の意見
第1回は昨年10月22日に開催、「審議テーマ及びスケジュール」を確認。以降8
回(4月のヒアリング含む)開催されてきた。主要課題は、「なぜ在宅支援は伸び
ないのか。」、「居宅介護報酬の区分と介護サービス実態の乖離、矛盾が家事援助に
顕在化」、「ヘルパー賃金に反映されない居宅介護報酬」、「解消されない社会的入院
と安易な『療養病床の老健施設への転換』」、「新規特養の個室化とホテルコスト」
等であり、詳しくは厚生労働省のホームページ等で承知されたい。5月以降は、い
よいよ介護報酬基準改定に向けた本格的な詰めの審議・議論に突入する。
最後に審議会に提出した介護保険に関する意見(意見公募)を参考として掲載する。
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